古典フリーク
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1万 回視聴 ・ 121いいね ・ 2022/03/02
#徒然草 #猫また #兼好法師 #89段
【解説】
【解説】
これも兼好法師が得意とする「僧のしくじりシリーズ」です。兼好法師は一般的にはありがたがられる僧という存在を、しばしば笑い者にして、ユーモアを持たせながらその権威性に疑問を投げかけています。
猫また…ネコの妖怪。猫の目を持ち大きさは犬くらいとされる。尾が二つに分かれていて、人に災いをなすと考えられた。山の中にいるものと、飼いネコが年老いて化けたとされるものの2種類がある。日本には長い年月を経ると、ものにも精霊(霊魂)が宿る「つくも神」という発想があった。
行願寺(ぎょうがんじ)…京都市中京区行願寺門前町にある天台宗の寺院。
連歌師(れんがし)…連歌(れんが)は短歌(五・七・五・七・七)の上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を2人以上の人が即興で交互に詠んでいく遊び。奈良時代に生まれ平安時代に流行し、鎌倉時代以降は文芸としての地位を確立していった。連歌師は連歌を作ることを専門の職業とした人を指す。
【『徒然草』について】
徒然草(つれづれぐさ)…鎌倉時代末期の随筆。1330年頃の成立。兼好法師の著で「つれづれなるままに~」で始まる序段と243の章段から成る。内容は仏教的無常観に基づいた自然観・人生論・処世術・社会・芸術・美意識など多岐にわたる。江戸時代の頃には庶民にも愛読されるようになった。
兼好法師(けんこうほうし)…鎌倉時代の歌人。随筆家。本名は卜部兼好(うらべかねよし)。京都の吉田神社の神官の家に生まれたため吉田兼好とも言われる。20代の頃は後二条天皇のもとに仕えていた。原因は諸説あるが、30才の頃突如出家して京都の郊外で隠居生活を送った。『徒然草』はそうした隠居生活の中で書かれたとされる。
随筆(ずいひつ)…筆者の体験や見聞きしたこと、感想、心に浮かんだことを自由気ままな形式で書いた文章。エッセイともいう。日本の古典作品では清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』、兼好法師の『徒然草』が三大随筆と称されている。
無常観(むじょうかん)…全てのものは絶えず移り変わっていて、永遠・不変のものは何もないとする仏教的なものの捉え方、考え方のこと。末法思想(まっぽうしそう)が流行した平安時代の後期から鎌倉にかけて浸透し、日本の文芸・美術・建築などの文化全般に影響を与えるようになった。以降日本人の美意識や人生観の根底を支える思想へと発展した。
末法思想(まっぽうしそう)…平安時代末期から鎌倉時代にかけて流行した思想。釈迦の入滅(にゅうめつ・死ぬこと)後次第に仏教が衰え消滅していくとする思想。日本では1052年に末法に入ると信じられており、その頃にちょうど天災や疫病、戦乱が相次いだために、危機感や厭世観(えんせいかん)がかき立てられ、この思想が流行した。末法思想の流行は後の鎌倉新仏教の成立と発展に大きな影響を与えた。
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